まだまだ寒いが、少し春の雰囲気も感じられる2月の終わり、天皇誕生日から続く週末の連休に旅行に行くのは昨年の茨城に続く。なんとなく、出かけたくなる時期だ。今回は広島方面へと向かう。この時期はやっぱりカキを食べたいし、久々の宮島もいいな。初日の今日は、目的地は呉。以前に行ったことはあるがあまりちゃんと見れてないので、再度の訪問だ。西に向かう新幹線はやっぱりゆったり「さくら」がいい。朝ごはんにとん蝶とふかふかをいただきながら、快適な列車の旅。新神戸の次は西明石、そして岡山、福山。姫路は止まらないのね。一瞬だけ、姫路城が見えました。
約1時間半で広島に到着。ここから在来線に乗り換えるが、昔通ったことのある通路がすっかりきれいになっている。駅ビルも立派だし、しばらく来ないと変わっているものですね。コンコース内のお土産屋さんを見ながら時間を過ごし、10:30の呉行き 快速安芸路ライナーで30分ちょっと、電車は海沿いの景色を眺めながら走り呉駅に到着。まずは駅から少し歩いたところにある、呉ステーションホテルに荷物を預ける。では、呉散歩に出発だ。
まずはお昼ごはん。駅から大和ミュージアムに向かう途中にある「ハイカラ食堂」へ行こう。狭いエスカレーを上がると、そこには潜水艦の模型が展示されていた。さて、とにかく食堂に行くが、たくさんの人が待っているようだ。順番に案内されるので紙に名前を書くのだが、3枚分で50組くらいは前にいる感じ。まあ店内は広そうだし、そんなに長居する人はいないだろうから待ちますか。ここは海上自衛隊に関する展示があったりお土産がいろいろあったりするので、それらを見ているうちに時間は経つ。海上自衛官ルックのぬいぐるみがかわいいな。
1時間ほどして、ようやく名前が呼ばれた。席に着き、メニューを見るがやっぱりここは海上自衛隊のカレーでお願いします。辛さ控えめの「そうりゅうカレー」と少し辛めの「潜水艦カレー」があるのだが、そうりゅうカレーが売り切れなので潜水艦カレーのセットで。これが、独特な形をした鉄のトレイに乗って出てきました。ごはんには海軍旗が差してあり、その上にはクジラかつ。それに肉じゃが、サラダとカレーといえばの福神漬とらっきょう。カレーは確かに少し辛めだが甘みもありおいしいです。クジラかつをカレーの合間に食べるのもいい感じで、味の染みた肉じゃがもおいしい。食後には牛乳を飲んで、栄養たっぷりだ。ごちそうさまでした。
では大和ミュージアムへ。その建物の向こうに見えるのは潜水艦、てつのくじら館。あとで行きましょう。大和ミュージアムでは、呉で製造された世界最大の戦艦大和を中心に、明治以降の日本の近代化における歴史とそれに大きく関わった呉の歩みを知ることができる。入り口前には巨大な錨が展示されているが、これは戦艦陸奥の主錨とのこと。入場料は通常展示のみだと500円で企画展示含むと800円。せっかくなので、企画展示込みで。今は「日本海軍と航空母艦」という展示がされている。まずはここを見ましょうか。
中に入ると、歴代の航空母艦に関する説明や展示がされている。大日本帝国海軍が最初に保有した航空母艦は「鳳翔」で、大正後期に建造された。その後昭和初期に「赤城」が巡洋戦艦から、「加賀」が戦艦から改造され、その後「龍驤」「蒼龍」「飛龍」といった航空母艦が製造されていく。当時の時代背景を映すものであるが、何より明治の近代から50年ほどの期間でこれだけの規模のものを製造できるようになった先人に驚くばかり。その後太平洋戦争でこれら航空母艦は活躍し、攻撃を受け損傷し、そして沈没することでその役目を終えるといった運命をたどる。何より驚いたのが終戦時に航行可能な航空母艦はわずか2艦で、それが最初の母艦「鳳翔」であったこと。もう1艦の「葛城」とともに、戦地からの復員輸送の役割を果たしたのちに解体されたこと。見ごたえのある展示でした。
企画展示を出ると、目の前には1/10スケールの戦艦大和。昭和16年に呉海軍工廠で建造され、昭和20年に米軍の攻撃により沈没するまで太平洋戦争において各地で歴戦を重ねた。当時世界最大だった戦艦を建造した技術は各業界で応用され、戦後復興の支えになったとのこと。この巨大な模型を見ると、平和の大切さと科学技術の進歩、素晴らしさを伝えているようだ。
では展示エリアへ。呉の歴史をベースとして、海軍が整備、発展していく様子が示されている。明治22年に呉鎮守府が開庁(4大鎮守府として他に17年横須賀、22年佐世保、34年舞鶴)し、明治36年には呉海軍工廠が誕生。その後戦艦大和の建造など行うことになる。呉は瀬戸内海で奥まっていることや大きな川がないために水深が深いこと、人口が少なかったことなどから海軍の大規模施設に適した場所だったようだ。大戦の軍需によって発展する呉の街、そんな中ではスポーツや文化も発展し、昭和9年には呉港中が甲子園で優勝、その時のピッチャーが藤村富美男、決勝戦では熊本工の川上哲治から3三振を取ったらしい。その後太平洋戦争へと進むと呉の役割はますます大きくなるが、その一方で戦局の悪化により一般市民の生活は困窮を極めていく。その様子は「この世界の片隅に」にて表現されている。そして原爆投下、呉からもはっきりと見えたらしい。
戦艦大和に関する展示もある。ここまでの規模のものを、機密を守りながらも極めて複雑な構造を実現することは想像を絶する。大和に乗っていた人の遺書や手紙には心を揺さぶられる。そして今の大和、九州沖の海底に今も沈んでおり、静かに今の世の中を見ているようだ。現在の世界情勢にはさまざまな動きがあるが、やはり戦争による解決には悲劇しか生まないことを改めて感じる。ここ大和ミュージアムは、いろいろと感情を揺さぶられます。
展示室を出て、巨大な大和を見ながら隣の部屋へ。ここは大型資料展示室で、零戦や魚雷などの実物を見ることでより戦争の悲惨さを実感することができる。こういう展示を見ると、科学技術の進歩はすばらしいがどのように使うかでその結果は大きく変わることを感じる。このエリアはスロープで上がっていくことで、上から見ることもできる。隣の戦艦大和も見下ろすことができ、1/10でこの大きさって、あの時代に本当にすごいものを作ったものだ。
大和ミュージアムを出て、すぐ近くにある海上自衛隊呉史料館・通称「てつのくじら館」へ。 この巨大な潜水艦は、実際に就役していた「あきしお」。まずは併設された史料館へ。1階は呉の街と海上自衛隊の歴史が展示されている。2階に掃海艇に関する展示があり、機雷除去の際に使用するのがフロートと呼ばれる音響掃海具。このフロートが船に似た音で振動を起こすことで機雷を爆破させて回収するとのこと。そのフロートにはジョーズやアザラシなどのペイントがされているのがせめてもの遊び心。アザラシペイントのフロートには爆破のために底の部分がへこんでいた。海の安全を守るため、海上自衛隊は世界中の海で活動している。危険と隣り合わせだが、本当に立派なお仕事です。
3階には潜水艦の仕組みや乗組員の生活に関する展示。やっぱり大事なのは食事、狭く閉ざされた空間の中で数少ない楽しみなんだろうな。一週間の献立を見ると、かなりバラエティ豊富でおいしそう、やっぱり週に一度のカレーは楽しみだよね。食器類もちゃんとしていて、食事を重要視していることがわかる。もう一つ大事なのは睡眠、3段ベッドで狭いながらも快適、といったところかな。ここでは太れないですねえ。このフロアから、潜水艦「あきしお」の内部に入ることができる。船内は機密上の理由から撮影禁止だが、狭いが効率的に作られていることがわかる。船室や操縦室、各計器類などを見学しました。潜水艦を出ると、ちょうど港が夕日に染まるころ。きれいだな。史料館に戻ると「沈黙の艦隊」で使用された衣装などの展示がありました。てつのくじら館を出て、すぐ隣にあるスーパーと、駅にあるスーパーをはしご。ネーブルがおいしそうなので買って、ホテルに戻って部屋でしばし休憩。ちょっとクラシカルなホテルだが、部屋は広くてソファーもあるのでゆったりだ。ネーブル食べて、すっきり元気チャージ。
18時を過ぎた頃、出かけますか。呉には数は少ないが屋台が並んでいる通りがあるとのことなので、そこへ向かう。ホテルから少し歩くと川沿いに公園があり、その前の道沿いに10軒程の屋台を発見。まだ準備中のお店もあるが、しっかり満席になっているお店もある。ちょっと寒いこともあり、まずはおでんとラーメンがいいな。「八起」という屋台がちょうど2席空いてそうなので入りましょう。愛想のない店主にラップに包まれたメニュー、黙々と食べるお客さん。いいねえ。芋のお湯割りをいただき、まずはおでん。大根・厚揚げ・牛すじ・ロールキャベツをいただきます。しっかりしみ込んだ出汁の味わいがおいしいです。卵が売り切れだったのは残念だが・・続いてラーメン。屋台の締めにいい感じの、ちょっと少なめがちょうどいい。シンプルな醤油ラーメン、もやしとチャーシューがいい感じ。ここはこのくらいで、ごちそうさまでした。
続いては「まんまる」へ。ちょうど満席ではあるが、そろそろ空きそうなので待ってみる。数分ほどで入れたが、料理の時間がかかっているらしく前のお客さんもまだ最初の料理がだせていないと。まあ、別に慌ててないのでゆっくりしてますよ。ご主人一人でやってるしね。まずは芋のお湯割り、お通しの筍をつまみながらゆったり待つ。徐々にほかのお客さんへの料理ができていき、20分くらいたってようやく鳥皮ゆずポン酢が来た。これはもっとすぐ出てくるとは思ったけどね。まあいい。しばらくすると先にいたお客さんはいなくなり、新しいお客さんが我々の近くの席に。ふとしたことからそのご夫婦と話すことになり、広島市内から来たとのこと。我々が大阪からというとなんだか喜んでくれ、ネイティブ知らんけどにはいたく感動されました。そうなってくると時間がたつのが早くなる。皮・砂ずり・豚バラ・ねぎま・つくねのやきとりをいただき、焼酎はおかわり。明太入りの卵焼きや博多屋台のイメージで頼んだが明太がそのものではなくチューブ・・これはちょっと残念かな。ご夫婦が薩摩鳥のもも焼きである「まんまる焼き」を頼み、量が多いからと分けてくれました。ご厚意は素直にいただきます。ご機嫌なご夫婦といろいろ話し、楽しい屋台となりました。ごちそうさまでした。
屋台街を出て、途中のコンビニでコーヒー買ってホテルへと戻る。久しぶりの広島で、初の呉をじっくり楽しむことができました。明日は宮島、お天気もよさそうだし楽しみだな。おやすみなさい・・・