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熊野古道。奈良・三重・和歌山にまたがるこのエリアは「紀伊山地の霊場と参詣道」として、2004年に世界遺産に登録されていた。ただ、正直なところピンと来なかった。行ったこともないし、寺院や神社ならともかく道って言われても・・・と思っていたが、ずっと気にはなっていていつか行きたいと思っていた。それが昨年の大雨により、このエリアが広範囲にわたって被害を受けたと聞いたとき、また当分行けなくなると思っていたら、部分的にも復旧し、お正月にはほぼ問題なく観光が出来るようになったと聞いた。そしてしかも3月までは、JRとバスで南紀地方を周遊する南紀パスというお得な切符が出ているのだ。うん、これは行き時かな。寒い時期だが天候が安定している分、歩きや温泉も楽しめるだろう。ということで、週末+有給の3日間で、今回は熊野三山と言われる熊野那智大社・熊野速玉大社・熊野本宮大社を巡ろう。
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オーシャンアロー到着
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目覚めたら熊野灘
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駅には雛飾り
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新大阪駅を7:35に出発するオーシャンアローに乗り込む。今日は金曜日、そんなには混んでないですね。駅で買ったおにぎりで腹ごしらえをしながら、天王寺を過ぎて南へと快調に走る。そしていつの間にやら眠りに落ち、気づいたら白浜。随分来たなあと思っていたが、ここから紀伊勝浦まではまだ1時間半ほどかかる。和歌山もでかいです。串本の前後は海沿いすれすれを走るのだが、これは津波が来れば一発だなあ・・・南海沖地震が来ませんように。そして予定通り、11:29に紀伊勝浦に到着。お疲れ様でした。さて、まずは昼ごはん。駅前に大和という店があり、ここの丼が美味しそうだ。早速中に入ると、まだお客さんは誰もいない。ではここの名物という大和丼を頂きましょうか。しばらくして出てきたモノは、まさにマグロ三昧。中トロや大トロ、赤身に中落ちといろんな部位がたっぷりと乗っていて、新鮮な生マグロがとてもうまいです。マグロの角煮と胃袋煮というちょっとした珍味も小鉢で頂き、満足です。いつの間にやらお店は満席、ごちそうさまでした。まずはホテルへと向かう。駅を背にして海に向かって歩き、港沿いにある万清楼が今日の宿。とりあえず荷物を預かってもらい、出かけますか。
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紀伊勝浦駅
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大和丼
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お店の外観
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やっぱり那智黒
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カラフルな貝
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イカにウツボ
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最初の目的地は、熊野那智大社。駅に戻り、しばらくすると那智山行きのバスが到着。早めに乗り込んだから良かったが、あっという間に満員。どこからこんなに人が来たんだろう?13時ちょうどに出発し、途中那智駅に立ち寄り、その後那智川沿いを走ると20分ほどで大門坂駐車場に到着。このまま乗っていれば那智大社に着くのだが、この大門坂を那智大社に向かって歩くのが最も手軽な熊野古道ウォーク。ざっと十数名の人がここで下りたかな。
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大門坂入口
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南方熊楠ゆかりの地
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鳥居を越える
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さて、ウォーキングスタートだ。他の人はどんどん登っていくが、われわれは何枚も写真撮ったり景色見たり、いつの間にやら誰もいなくなっていた。みんな早いのね。まずは樹齢800年の夫婦杉がわれわれを迎えてくれた。でかいなあ。人間がちっちゃく見えてしまいます。しばらく行くと多富気王子に到着。熊野古道には王子と呼ばれる石碑があるのだが、これはかつて参詣途中に儀礼が行われた場所らしい。そしてここ多富気王子は、那智大社に向かう最後の王子となるのだ。杉林の中をじっくりと景色を楽しみながら歩いていくと、苔むした石畳が歴史を感じさせていい感じだ。それにしても、このあたりは春はとてもじゃないけど来れない場所ですね。まさにスギ花粉のまっただ中を進むことになるのかな・・・
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夫婦杉
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杉がデカイ
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多富気王子
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樹齢800年
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石畳が続く
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杉の間を進む
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陽が差す
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どんどん行こう
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ようやく終点
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473段の石段を登り切り、那智大社の参道に到着。でもここからもまた階段なんだよね。とにかくこの旅は、足腰が鍛えられる旅になりそうだな。参道を登っていくと朱塗りの鳥居が見えてきた。これが那智大社、一の鳥居。手前には西国三十三カ所巡礼の第一番札所の碑があるが、これは那智大社横にある青岸渡寺のもの。そして鳥居のすぐ横には世界遺産の碑がありました。さて、ここからまた石段を登っていきますか。
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帽子?
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また階段を上がる
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清涼亭というお茶処
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一の鳥居
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世界遺産の石碑
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熊野大権現
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続いて見えてきたのは二の鳥居。またも石段を登り切ると、ようやく那智大社の境内に到着だ。朱塗りの本殿や宝物殿などが美しく、歴史を感じさせる佇まいだが、昨年秋の台風により本殿の一部が土砂に埋没するなど、かなりの被害を受けたらしい。なのでまだ復旧し切れていないところもあり、本殿までは見られなかったのが残念だが、こうして訪れることができてよかったな。拝殿でしっかりとお詣りしておきましょう。境内には樹齢800年の大楠があり、平安時代末期の武将である平重盛が参詣の際に手植したものと伝えられている。歴史をこうして残す努力を惜しまない日本って素晴らしいと、最近とみに思います。
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二の鳥居
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樽酒がたくさん
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境内全体像
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土砂崩れの爪痕
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拝殿
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樹齢800年の大楠
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那智大社の奥にある門をくぐると、そこは西国三十三カ所巡礼の第一番札所である青岸渡寺。この辺りはもともと那智の滝を中心にした神仏習合の一大修験道場だったが、明治初期に青岸渡寺と那智大社に分離したということらしい。それにしても、神社から寺社へと来ると全く雰囲気が変わる。神社では神聖な気持ちになるが、寺社では厳かな気持ちになるのはなぜだろう。こちらでもしっかりお詣りをしましょう。
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隣にあるのは
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青岸渡寺
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本堂に入る
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ここも世界遺産
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鐘楼
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これは?
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本堂から少し歩くと、遠くに三重の塔と那智の大瀧が見えてきた。ここには花山天皇が出家後に詠んだという「補陀洛や 岸打つ波は 三熊野の 那智のお山に ひびく滝津瀬」とのご詠歌の碑がありました。三重の塔の近くまで歩いてきたぞ。大瀧をバックにしたこの景色は、まさに日本的な絶景にふさわしい。では大瀧まで行きますか。
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遠くに塔と瀧
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御詠歌
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三重の塔と瀧
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つづら折りの道を下りると脇にそれる細い道があり、石段を下りていくとお土産屋さんがある場所に出てきた。ここからはこの大瀧を本尊とする飛瀧神社に入り、さらに石段を下りていくとそこには見上げるばかりの那智の大瀧。高さ133メートルから一直線に落ちる瀧は、なにやら神秘的な雰囲気が感じられる。ここから那智大瀧拝所までは少し石段を登っていく。すると瀧を間近に見られるところに出てきた。しばらくここで、瀧のパワーを全身にいただきましょう。遠くからの細かいしぶきが感じられるようで心地よい。
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どんどん下りていく
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瀧への入口
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ここも世界遺産
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さらに下りていく
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飛瀧神社
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那智の大瀧
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そろそろ行きますか。滝の入口前でいくつかお土産を見ながら、しばしバスを待つ。那智黒石でできたクジラを記念に買いましょう。陽が傾き、ちょっと寒くなってきたかな。しばらくしてバスが到着し、出発だ。さっき下りた大門坂の前を通り、那智駅に到着。ちょっとここで途中下車だ。駅前には日本サッカーの始祖、中村覚之助氏の顕彰碑がある。この人はなんでも日本に本格的なサッカーを紹介した人で、この方が那智勝浦出身だったことから八咫烏がシンボルになっているらしい。では八咫烏とは?これは日本書紀に、神武天皇が熊野越えを行う際に道に迷い、その際天照大神の遣いとして八咫烏が道案内をしたらしい。なので「勝利を導く」という意味もあって日本代表のシンボルになっているのだ。駅のそばにある道の駅の中にちょっととしたサッカーコーナーがあり、なんとそこにはなでしこのサイン入りのユニフォームが飾られていた。優勝祈願や優勝報告をここ熊野で行ったらしく、やっぱりこの熊野の地は八咫烏つながりで日本サッカーの重要な場所なんだね。男子のワールドカップでのサインボールが3大会分飾ってありました。
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日本サッカーの始祖
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中村覚之助
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八咫烏
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なでしこのサイン
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来てたのね
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男子のもある
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サッカーコーナーの奥には、世界遺産の情報センターがある。ここには熊野古道に関する様々な情報が展示されていて、これを見ると昔の人がいかに長い時間をかけてこの道を歩いていたかが分かる。それでも庶民から天皇・上皇まで、身分を問わずたくさんの人を引きつけていたのは熊野三山が阿弥陀信仰の聖地として強い信仰を集めていたからだろう。そろそろ閉館となるので行きますか。紀伊勝浦駅までは、高校生満載の電車で戻りましょう。
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昔はこの格好で
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長すぎる・・・
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曼荼羅図
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さあて、晩ごはんへ。ホテルに向かう道にあるのが「まぐろ三昧 那智」。ここはマグロを和風や洋風など、いろんな食べ方が出来るお店だ。お店に入ると、まだ早い時間にもかかわらずほぼ満席。ちょうどカウンターに着くことができました。さて、何にしましょうか。メニューをみて、オススメを中心に頼みましょう。まずはクジラの竜田揚げ。もはやなかなか食べる機会のなくなったクジラだが、生姜の利いた香ばしい味わいがビールとぴったり。続いてはマグロの尾の身のカツ。希少部位とかでなかなか食べられないらしく、こちらもビールといい感じ。さて、次は赤ワインでもいただきますか。胃袋のトマト煮込みは要するにトリッパですね。歯ごたえがあってワインにもぴったり。そしてマグロのユーリンチー、ちょっと中華風の味付けでしっかりしたマグロの身が負けていない。どんどん行きましょう。そして次は熊野牛のビーフシチュー、柔らかい肉がほろほろとして、そしてしっかりとしたシチューが赤ワインとまさにぴったりだ。そして締めには、同じく熊野牛ですじ肉の味噌煮込みドリア。チーズと味噌、ワインともあうので締めにいい感じ。それにしても普段とは違い、すべてしっかりこってりメニューをいただきました。美味しかったです。
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クジラの竜田揚げ
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マグロ尾の身のカツ
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マグロ胃袋のトマト煮込み
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マグロのユーリンチー
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熊野牛ビーフシチュー
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熊野牛すじ味噌煮込みドリア
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少しお店がすいてきた頃、外国人4人組が入ってきた。やっぱり世界遺産になってからは外国人の観光客も増えたのかな。関空から一本で来られると思えば確かに来られる、ちょっと遠いけど。でもこうやって外国の人にも来てもらえると嬉しいですね。ホテルまでは歩いてすぐ、あとは部屋でゆったり過ごしましょう。
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