|
6時起床、シャワーを浴び、天気予報を見る。今日は今世紀最後の皆既日食がヨーロッパで見られる日だ。ニュースでもさかんにそのことを言っている。が、いまのパリは曇り。皆既日食が見られる場所としてランスに行くことを予定していたが、どうやらランスも曇りらしい。天気予報によると、パリより少し真北に行った所が晴れるようだ。というわけで地図を調べると、パリから電車で1時間半位北にいったところにアミアンという街がある。アミアンも皆既日食エリアに入っているのでここにいけば見えるかもしれない。時刻表を見ると、7時48分にパリ北駅から電車が出ている。ようし、これに乗ろう。というわけで、7時過ぎにチェックアウト。昨日満室だった隣のホテルに泊まろう。今日は無事空いていたようだ。350フランと少し高くなるが、昨日のホテルよりは少しいいようだ。部屋に入り荷物を置き、すぐさま出発。北駅はすぐそばだ。駅の時刻表で出発ホームを調べ、18番ホームへ。電車はすでに来ている。なんだこれは!通路はおろか、車両と車両の間にもたくさんの人が乗っている。みんな日食を見に行くのだ。前の方に行き、なんとか乗りこむが、ドアにへばりつくようにしか乗れない。ところが少し出発が遅れているようで、たくさんの人が次々と乗ろうとしている。なかには大きなリュックをしょった4人組みもいた。お願いだからここには乗ってこないでくれ・・・前の車両になんとか乗ったようだ。いつもは混みあわない電車なのだろう。向かいのホームについた電車から降りてきた人が、何事かと驚いた顔をしている。定刻より5分ほど遅れて、電車は出発した。もう立ったまま行くしかない。電車はパリ郊外を抜け、田園地帯を走る。のどかな景色だ。天気のほうは心もち明るくなったような気はするが、雲が空を覆っており太陽は見えない。なんとか晴れてくれ・・・10時過ぎ、アミアンに到着。曇っている。だがまだ2時間以上あるので、なんとか晴れることを祈りたい。朝ごはんを食べていないので、とにかく近くのカフェへ。ところが満席だったり、ピザ屋だったりでなかなかいいところが見つからない。結局駅前のカフェに入った。ここは普段はあまり人はいないのだろう。今日にかぎっては大賑わいで、もう食べ物はすべて売り切れており、おやじ一人でたくさんの客に飲み物を何とか出しているといった様子だ。仕方が無いのでとりあえずカフェオレを2つ頼み、その間にサンドイッチは近くのスーパーに買いだしに行ってもらった。なかなか帰ってこなかったのだが、スーパー前のパン屋もすごい行列で時間がかかったということだ。フランスの片田舎が、ちょっとした皆既日食フィーバーになっている。まあなんとか朝ごはんにありつけたのでよかった。11時頃、カフェを出、近くのスーパーへ。日食を見るのはいいのだが、太陽を直接見ると眼をいためるのでサングラスのようなものが欲しい。フランスではこの日食に備え、各地のめがね屋やドラッグストアに簡単な紙製のサングラスを配布しそれを5F程度で売っていたらしい。ここアミアンに来た人たちも、そのサングラスを持っている。ところがわれわれはそれを持っていない。もうどの店に行ってもそのサングラスは無いのだ。だからスーパーで何か変わりになるものを探す。変わりになるかと思い今朝ホテルから黒いゴミ袋を持ってきたのだが、これはほとんど見えない。黒い下敷きや、黒いペットボトルがあればと思ったが見当たらない。どうしよう・・・と、ほかの人が持っているサングラスには2種類あることに気がついた。黒いレンズと銀色のレンズのものがあるのだ。しかも銀色のものに関しては、レンズとはいってもぺらぺらのまるでビニールのようなものがついているだけのようだ。そんなことから、幼きころにポテトチップの袋に眼を近づけると向こうが透けて見えたことを思い出した。これだ。スナック菓子の袋は使えるかもしれない。あまり濃い色がついていないほうが見やすい思い、水色の部分が多いチーズ味のスナック菓子を買った。
|
|

日食を待つ
|
駅前広場に戻ると、少し雲が切れ、太陽が見えるようになってきた。さあ、スナック菓子の袋で見てみよう。結果は・・・完璧。薄い水色のところや、銀色のところからは太陽を見ることができる。しかもすでにかけ始めている様子を見ることができた。われながらすばらしいアイディアだ。駅前広場にはそこそこ人が集まり始めており、みんなかけ始めた太陽を見ている。スナック菓子の袋を眼に当てているのはわれわれだけだったが。完全に欠けるまでにはまだ40分ほどある。もっと銀色の多い袋ならばより見やすいかと思い、再度スーパーへ。銀色の部分が多いナッツ味のスナック菓子を買った。
|
|
広場に戻ると、少し薄暗くなっているように感じた。太陽を見上げると、なんともう三日月のようになっている。神秘的だ。足元に水たまりがあり、そこにも三日月の太陽が写っている。少し薄曇りのせいもあり、このぐらいの太陽だともうサングラスなしでもなんとかそのかたちを見ることができる。時は過ぎ、刻一刻と皆既日食の瞬間が近づく。3分前くらいになると、少し肌寒くもなってきた。だが細くなったといっても、まだ太陽の光ははっきりと感じられる。2分前、1分前、周りがざわめき始めた。いよいよその瞬間だ。12時22分58秒、太陽のふちに残った一筋の光が、黒い影に吸い込まれるように消えた。と同時に、あたりは急激に夕闇の世界へと引きこまれた。急に肌寒くなり、広場には明かりが灯り、鳥たちはいっせいに羽ばたき戸惑いながらねぐらへと向かった。太陽は黒く色を変え、周りには赤黒い炎が立ち上る。なんとも言えない不気味な、神秘的な、幻想的な世界だ。2分ほどその状態が続き、黒い太陽の一片に強烈な一筋の光が差し込んできた。その瞬間、赤黒い炎は姿を消し、あたりは急に明るくなり、暖かい光をほほに感じた。太陽はわずか一筋の光でも、地上を照らすには十分な力を持っているのだ。
|
|

黒い太陽
|

一筋の光が戻った!
|

日食を知らせるポスター
|
|
今回の日食は今世紀最後であり、ヨーロッパからパキスタンにかけての広い地域で皆既日食が観察できた。しかもパリやロンドン、ベルリンといった大都市でも95%以上の食が見えたようだ。しかし99%の日食でも、100%の日食とはまったく異なったものになる。生まれて初めて皆既日食を見たが、旅先で偶然見る機会に出会えて本当によかった。次の皆既日食は2001年の南アフリカ、日本では2009年の奄美大島まで待たなければならないらしい。見ることができて本当によかった・・・さて、パリに戻りましょう。電車は13時8分にある。行きは立ちっぱなしだったので帰りは座って帰りたい。早めにホームに行って電車を待つ。日食の余韻をかみしめながら、たくさんの人がホームに降りてくる。13時ちょっとすぎに電車が来た。みんな一斉にドアにかけよる。なんとか乗りこみ、席をさがすが・・・なんとほとんどの席に予約済みのしるしがついている。なんということだ。数少ない空き席も、喫煙席のために座りたくない。そうこうしているうちに電車は動き出し、結局帰りも立ちっぱなしになってしまった。疲れる・・・14時半頃、パリ北駅に到着。
|
|

「さっぽろラーメン」のラーメン
|
昼ごはんは今日もラーメンにしよう。オペラ座の近くに行き、昨日行った「ひぐま」の向かいの「さっぽろラーメン」へ。15時までがランチタイムで、ぎりぎり間に合ったようだ。ラーメンと餃子のラーメンセットを注文。昨日よりは1フラン安い62フラン。さて、お味は・・・餃子もラーメンも、まあまあかな。全体的に、昨日のひぐまの方がおいしかったようだ。さあ、それではタイ航空オフィスへ行きましょう。食後なのでぶらぶら歩きながら向かう。無事便の変更ができているだろうか。
|
|
オフィスが近づくにつれて、なんだか緊張してきた。オフィスに入り、チケットを渡す。係の人は画面に向かってなにかを確認している。どうだろう・・・すると係の人はシールを取り出し、便名変更の記入をはじめた。やった!どうやら変更できたようだ。これで帰りにバンコクでタイ料理をたらふく食べ、カレーペーストやココナツミルクをたくさん買いこむことができる。この旅に、もう一つの楽しみが増えた。ばんざーい!言ってみるもんだ。出発前にはなかなか取れなかった便も、直前だとかえってとりやすいのかもしれない。よかったよかった。
|
|

自由の女神
|
さあ次は自由の女神を見に行こう。メトロを乗り継ぎ、JAVEL駅で降り、セーヌ川沿いにでると自由の女神があった。ついこの間まで日本に来ていたこの自由の女神はいま化粧直し中のようで、まわりが足組みで囲まれており作業をしている人がいる。本来の姿が見えなかったのでちょっと残念だ。日本に来ていたときは白かったと思うのだが、黒に塗りなおしているようだ。おなかだけ白いという化粧直し途中の様子を見れたということで、写真をとる。ここからはエッフェル塔がよく見えるので、歩いていくことする。ぶらぶらと20分位でエッフェル塔到着。以前見たときよりも色がオリーブ色で、きれいに塗りかえれらたような気がする。
|
|

エッフェル塔
|
今回パリのあちこちで同じようなことを思った。ひょっとして去年のワールドカップにあわせていろんなところをきれいにしたのか?それとも2000年に備えてだろうか?とにかく写真をとろう。でかい。なかなか収まりきらない。エッフェル塔前の芝生が切れるところまで行き、ようやく写真に収めることができた。エッフェル塔の近くで絵を売っている人が何人かいて、ここで凱旋門の絵を買った。でもここで買った絵は帰りの空港でもっと安い値段で売っていたのだが・・・(だまされたということか。なんてこったい)。みなさん気をつけましょう。
|
|
さて、8時をまわった。そろそろ晩ごはんにしよう。今日はなんだか肉を食べたい気分だ。エッフェル塔から少し歩いたところにビストロが何軒か集まっているところがあり、以前入ったことのあるお店もある。店先に出ているメニューを見ながら歩く。結局2年前に一度入ったBISTRO DE PAPAに入る。デザート無しのコースがあったので、そこから選ぶことにする。
|
|

オニオングラタンスープ
|
オニオングラタンスープ&鴨肉ロースト、エビとアボガドのサラダ&ラム肉の串焼き、そしてビールを頼んだ。まずビールがでてきた。今日もよく歩いたので、この一杯がうまい。そして前菜。ともにすごい量だ。オニオングラタンスープはチーズたっぷり、サラダはエビたっぷり。どちらもおいしい。でもこれとパンだけでも結構おなかは一杯になるのではないかと思うほどの量だ。メインが来た。肉はともかく、ポテトの量がすごい。こんなに食べられるわけがない。結局肉はおいしく食べたが、ポテトはほとんど残してしまった。これを全部食べるこっちの人っていったい・・・デザートがわりに紅茶を飲んで、店を出た(348F)。
|
|

エビとアボガドのサラダ
|

鴨肉のロースト
|

ラム肉の串焼き
|
|
近くのEcole Militaire駅からメトロに乗り、ホテルに帰った。昨日よりはベッドがいい感じだ。おやすみなさい・・・
|