2002/12/31 Dinan〜Cancale
〜石畳の美しい街、ディナンへ日帰り。豪華な大晦日ディナーは延々と続き、大騒ぎの年越しを迎える。〜 ★通貨ユーロ(約125円)★



朝ごはん


6時起床。外は真っ暗だ。シャワーを浴び、8時前にホテルをでる。今日はディナンへ日帰りだ。まだまだ外は暗いが、良く見ると昨日の夜よりも潮がかなり引いているのが分かる。8時10分にサンマロ行きのバスがあると思っていたのだが、時刻表を良く見ると今はバカンスシーズンで本数が減っており、最初のバスは9時発。なーんだ。ということで一旦ホテルに戻り、朝ごはんを食べる。オレンジジュースがうれしい。あとこのバター、ブルターニュ地方の特産なのだろうか、チーズのような弾力があるのだ。味はといえば、コクと甘みがありとてもおいしい。見た目はシンプルな朝ごはんなのだが、それぞれがとてもおいしく満足です。



遠浅の海


さて、そろそろ9時なので再度バス停へと向かう。ようやく外は明るくなってきており、潮が引いている様子が良く分かる。船はいくつかとまってはいるが、特に漁をしている様子はない。最も潮が引くのは真夜中なので、その頃に漁をするのだろうか。予定時刻を10分以上過ぎ、ようやくバスが到着。この時間帯に特に渋滞するとも思えないので、寝坊か?とにかくバスに乗り込み、サンマロに向けて出発だ(@3.7E)。バスは田園風景を抜け、サンマロの市街へと入ってきた。そういえばこのあたり、モンサンミッシェルからの帰りに通った記憶があるぞ。懐かしいな。


バスがサンマロ駅に到着したのは9時40分過ぎ。電車は9時55分なのでちょうどいい。ディナンまでの切符を買おうとすると、なんと途中の乗換駅、DOLからの乗り継ぎが14時を過ぎないと無いとのこと。そんなばかな・・・電車に乗る時間は正味1時間も無いのにね。仕方がない、タクシーにしよう。今日は弟夫婦と12時にディナン時計台前で待ち合わせをしていることもあるし、晩ごはんはカンカールでゆっくり食べることもあるので遅くとも11時までにはディナンに着きたいのだ。タクシーがちょうど駅前にいたので、さっそく乗り込む。ディナンまで、よろしく。タクシーは市街地を走り抜け、すぐに高速道路へ。100キロ以上のスピードで、快調に飛ばす。しばらく走ると、雨が降っている。ディナンは降っていなければいいのだが・・・10時20分頃、ディナン到着。いやいや、やっぱりタクシーは早い(39.60E)。値段は電車の倍以上だが、やはり便利だな。

さて、旧市街へと向かおう。幸い雨は降っていない。まだ着いたばっかりで、今一ついる場所が分からないのだが野生の勘で歩き始める。少し歩くと、教会の前に来た。古い感じの建物で、雨に濡れたこの石畳とともに、いい雰囲気を出している。もう少し歩いてみよう。お惣菜やさんや食料品やさんがたくさんあり、思ったよりも賑やかな街だ。サンマロよりは規模が大きい感じで、のんびり滞在するのも悪くないだろうな。しばらくいくと時計台が見えた。念のために、待ち合わせ場所を確認。間違いない。ではカフェタイムにしよう。Le Connetableという有名なクレープやさんがあり、そこでくつろぐ(4.45E)。ここディナンの情報はあまり無いのだが、そんな街をぶらぶら歩くのもいいだろう。しばらくすると、外に見慣れた人影が。弟夫婦発見だ。まあ小さな街なので待ち合わせ時間までに会うかと思ってはいたが、やはりその通り。ということで、カフェでもうしばらく過ごす。聞くと弟夫婦もサンマロから同じ電車に乗ろうとしていたらしく、同じく乗り継ぎ悪さから乗り継ぎ駅のDOLまでタクシーに乗り、そこから電車で来たらしい。あと10分くらいタイミングがずれていれば、サンマロで会えたのでここまで一緒にタクシーで来ることができたのだが、残念だ。まあともかく、無事に会えてよかった。では街歩きをしましょうか。クレープやさんのすぐ前にブルターニュ地方の食材やさんがあったので、まずここをみましょう。この地方名産の塩やキャラメル、缶詰やガレットなど、いろいろなものがある。瓶詰のスープドポワソンもある。まあいずれにしても今買うのは重いので、あとでまた来ましょうか。お店をでて、しばらく街歩き。石畳の狭い路地をのんびり歩く。クリスマスの飾りつけもあり、なかなかいい雰囲気。


さて、おなかがすいたぞ。やはりディナン、ブルターニュといえばクレープでしょう。ということでさっきのクレープやさんに入る。さっきはほかに客がいなかったのだが、今はお昼時ということもあり、随分とにぎわっている。それぞれ好みのものを選び、飲み物にはブルターニュ名産のシードル。なぜかコーヒーカップのようなもので飲むのが習慣らしい。4人いれば一本空けられるということで、乾杯だ。うーん、ちょっと微妙な味。薬っぽい味がして、苦手に感じる人も多そうだ。確かに液体の風邪薬のような味もしなくはないな。そしてクレープ登場。そば粉なので、少し黒い色をしている。茸入りのを頼んだのだが、素朴な感じがなかなかのお味。まあ特別うまいかといわれたらそんなわけでもないが、たまには食べてもいいかな。ごちそうさまでした(30E)。


シードル


そば粉のクレープ


お店あるあたり


時計台の方へと向かう。この時計台は15世紀後半に造られ、フランス革命まで使用されていたらしい。ということはその後200年以上使われていないということか・・・時計台を抜けると、広い駐車場にでた。ここからまた旧市街の中へと戻る。すでにいい天気になっていて、石畳の散歩が気持ちいい。しばらくいくと、ディナン城の前まできた。ここは今はディナンの歴史を紹介する博物館になっているのだが、残念ながら冬の間は休館しているようだ。そのディナン城の横を降り、城壁の外へでる。するとそこには城壁沿いの広い散歩道が続いていた。冬枯れの木立に囲まれたその散歩道は、とても気持ちがいい。ここからはさらにディナン旧市街の回りが見渡せ、おそらく一般の家庭であろう大きな戸建の家々が並んでいるのが見える。公園には子どもたちの遊び声が響く。こんなところで暮らせたらいいなあ、と思うのは旅人の宿命か。この気持ちのよい道をしばらく歩くと再び旧市街へと戻る階段が。ここを登り、しばらくいくとさっきのクレープやさんのあたりにでた。そうか、ようやく土地勘がつかめてきたぞ。このあたりがディナン旧市街の「へそ」にあたる部分なんだな。さて、今日は大晦日、さっきの食材やさんも何時に閉まるか分からない。なので買えるものは買っておきましょう。それにしても魅力的なものがいっぱいだ。重いのは分かっているのだが、瓶詰のスープドポワソンや缶詰、塩やキャラメルなどをゲット。どれもブルターニュ名産ばかりだ(47E)。確かに重いが、これはうれしい重さかな。


さて、街歩き再開。石畳の坂道を降りていく途中、右手に寺院らしき建物が見える。ここはサン・ソーヴェ寺院という建物で、その前にはちょっとした庭園が広がっている。その庭園もいいのだが、それよりもここから城壁の外の眺め。実に素晴らしい眺めだ。はるか下を川が流れ、その上を道路がアーチ型の橋で交差している。そして回りに広がるみずみずしい緑。車の走る音は聞こえるのだが、それがかえって景色の静けさを強調している。素晴らしい景色だ。ディナン、想像以上の街だ。この後はまるで迷路のような街を歩く。坂道があり、その上を石の橋で渡り、少し開けたところからは景色を眺める。楽しい。こういうふうに、地図をもたずにのんびり歩くのもいい。ここディナンくらいの大きさならば、どう行っても迷うことはないので安心だ。どのくらい歩いただろうか、アスファルトで舗装された少し広い道まででてきた。これにてディナン散策は終了かな。その道をしばらく歩くとまた例のクレープやさんのところにでてくる。


ちょっと疲れたので、お茶にしましょう。さすがにもうこのクレープやさんはやめて、サロンドテへ。坂道の始まるあたりに良さそうな店があったのでそこにはいる。なかなか感じはいいのだが、マスターが一人でやっているようで注文までに時間はかかった。まあいいか。ようやくでてきた紅茶を味わう。疲れた体にちょうどいい。女性陣はデザートを注文。リンゴのタルトは甘み押さえ目で、レモンタルトはさわやかな酸味がおいしい。曰く、「甘酸っぱいものを食べると汗がでますねえ」あなただけです、それは。と、ここで4時を過ぎた。日本時間ではちょうど2003年を迎えたことになる。今年もよろしくお願いします(25E)。


リンゴのタルト


レモンのタルト


店内の様子



夕暮れせまるディナン


ずいぶんとのんびりしたな。5時を回ったので、そろそろ帰りましょうか。バスもあるのだが、4人いるのでタクシーにしましょう。行きにタクシーを降りたあたりに行くが、特にタクシー乗り場がある気配は無い。近くにわりと大きなホテルがあったので、ここで呼んでもらいましょう。15分ほどでタクシー到着。サンマロまでの道を、快調に走る。わりと飛ばす運ちゃんで、どんどん抜かしていくのがちょっと怖かったが・・・無事にサンマロ旧市街前に到着(約42E)。弟夫婦とはここでお別れ。次は帰りのシャルルド・ゴール空港、そこまで気をつけて。われわれはバスでカンカールまで。



夜のカンカール


ちょうと10分後くらいにバスが到着。ほとんど貸し切りに近い状態で、バスは真っ暗な中を走る。朝は見た田園風景が、今はまったく見えない。30分ほどして、カンカールの教会前に到着。ホテルに近いのは次のバス停だが、教会のライトアップがきれいなのでここで降りましょう。こんな小さな街にもちゃんと教会があり、クリスマスの飾り付けをしている。これがヨーロッパの文化なんだな。港へ向かう坂道を降りる途中にも、綺麗に飾り付けをしているホテルがある。ふう、帰ってきたぞ。今は19時前、晩ごはんは20時からの予約なので、しばらく部屋でのんびりしましょう。


20時を過ぎた。ごはんに行きましょうか。レストランに行くと、まだ人影はまばら。これからどんどん増えてくるのだろうな。奥の席につき、しばらくすると回りのテーブルにも人が増え出した。昨日隣のテーブルにいた大きな犬を連れた家族も、やはり犬連れではいってきた。おばさんがわれわれを見てあいさつをしてくれたぞ。この街にいる東洋人はわれわれだけなので、すぐに分かるのだろう。最初にアミューズブーシュとしてクロスティーニのようなものがでてきたのはいいが、まだワインやメインを注文していないんだよー。しばらくしてようやく注文、ワイン登場。2002年最後のディナーに乾杯だ。かりっとしたパンと青魚の風味がおいしい。続いてアミューズ、2品目。パイ仕立てのものがでてきた。これもおいしい。つづいてまたもアミューズ、3品目。サーモンとホタテの冷製。さっぱりとした味付けがとてもおいしい。いや、おいしくていいのだが、そろそろ前菜のカキが欲しいところ。でないとおなかいっぱいになってしまう。そのあとフォワグラもあればメインもあれば、チーズにデザートまであるのだから・・・


クロスティーニ


クロスティーニ


サーモンとホタテの冷製


ようやくカキが運ばれてきた。良く見る長い形の貝殻と、丸い形の貝殻の2種類が6個づつ。丸いかたちの方が歯応えがしっかりしている。どちらもおいしいぞ。12個もあったカキが、あっという間に無くなってしまった。これでカンカールのカキは食べ納めなのね・・・続いて次はフォワグラのテリーヌ。フォワグラの割合が多い、こってりしたテリーヌだ。口の中でとろけるようだ。あまりばくばく食べるものでも無いが、ちょっとづつ味わっているうちにいつの間にか完食してしまった。次はメインなのだが、なかなかこない。すでにお店に入ってから3時間近くたっているが、どのテーブルもまだ来ていない様子。このペースの遅さ、ひょっとして12時の瞬間まで引っ張るつもりだろうか。良く見ると9時ごろはいってきた人はアミューズや前菜が次から次へと運ばれている。そうだ、メインで追いつかせようとしているのだ。なるほどね。でもさすがに例の大きな犬は飽きてきたようで、じっとしていられなくなったらしくパパや子ども達が代わる代わる散歩に連れていっている。仕方ないよね。そしてようやく、メイン登場。メインは魚料理を選択したのだが、白身魚とバタークリームのソースがなかなかおいしい。付け合せの野菜もおいしくて、これは正解。隣のテーブルは巨大な肉で、美味しそうなのだがちょっと多いかも。


生カキ2種


フォアグラのテリーヌ


パンもおいしい


さあ、もうおなかいっぱいだ。でも次にはチーズが登場。好きなものを好きなだけ選べるのだが、さすがにそんなにたくさんはいらないので、少しずつ2種類づついただく。そのうちのひとつがなんと京都の漬物「すぐき」そっくりの味。同じ発酵食品ではあるが、風味があまりにもそっくりなのだ。食感もわりとしっかりしているのでなかなかよかった。そしてこのチーズタイムにて、ここフランスも2003年を迎えた。特にカウントダウンをしたりはしないが、新年を迎えたときには「Bonne Annee!」との声があちらこちらであがった。そしてレストランの人が、各テーブルに何かを配りだした。クリスマスにかぶるような三角の帽子、巻いた紙が伸びて音が鳴る笛、そしてきれいな紙の筒。帽子はかぶればいいし、笛は鳴らせばいいのだが、この筒はどうするのだ?と思っていたら、他のテーブルから紙を丸めた玉が飛んできた。なんとこれは紙玉を吹き飛ばすための筒なのだ。別にあたっても痛いわけではないのでいいのだが、なんともはや・・・フランスの新年の迎え方はこうなのだろうか。あちらこちらで紙玉が飛び交い、笑い声が上がっている。それにしてもこちらに紙玉がよく飛んでくるぞ。まあこの中で東洋人はわれわれだけなのでやっぱり目立つし、しかも窓際にいるので狙いやすいのだろう。どんどん飛んでくるので、負けずにどんどん飛ばし返す。吹き飛ばすにはコツがいるようで、思いっきり吹けば飛ぶというのでもないらしい。遠くのテーブルにはしゃいでいるおじさんがいたので狙ったが、なかなかあたらなかった・・・そうこうするうちにデザートタイム。ようやく最後のメニューだ。まあなんというか、最後に大きなデザートだ。もったいないがとてもとても食べきれず、周りのフルーツだけいただきました。その後も宴は続き、紙玉は飛び交う。みんな楽しそうだ。


白身魚のメイン


チーズは選べる


そしてデザート


時間が経つにつれ、子供づれなどが帰り始めた。もう1時になるので、われわれもそろそろ退散しますか。とはいえ階段を上がれば部屋なので楽だ。2003年、大騒ぎの幕開けとなったな。おやすみなさい・・・