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空はどこまでも青い。出発には申し分ない天気だ。夏休みと言うこともあり、関西国際空港はたくさんの人で賑わっている。ちょうど9時頃、アリタリア航空ミラノ行きにチェックインをする。年末の英仏珍道中と同様、後方にある窓際2人席をゲット。マイルもゲットし、まずは順調な滑り出しだ。買い物を済ませ、もう払い飽きた関空利用税を払い、出国審査へと向かう。いつもならここで入出国記録カードを書くのだが、何と7月1日からこの制度が廃止されたらしい。某育の「渡航目的はグルメ」などの伝説を残したこのカードも、もはや過去のものになってしまったのだ。さて、無事出国。ここでいつもの通り出発便の掲示板の写真を撮るのだが、今回はデジカメデビューだ。少し設定に戸惑ったが、無事写真に収める。出発ゲートへと向かう。まだ時間が早いこともあり、ほとんど人はいない。今回の旅は念願のシチリアだ。それにマルタを加えた15日間の旅。夏の2週間旅行はもう6年目になる。こうやって旅行ができる状態には感謝しなければ行けない。今年もいい旅行ができるといいな。10時半を過ぎたころから、どんどんと人が増え始めた。みんな思い思いの旅をするのであろう。11時頃、搭乗が始まった。特に乗る順番の指定も無い。早めに乗り込み、後ろの席へと向かう。少し古い感じの機体だが、全く問題は無い。例のごとく、出発前はなぜか眠くなる。離陸が集中する時間帯なのか、かなり待たされたような気がしたが、気が付くと雲の上にいた。またも離陸が分からなかった・・・さて、最初のお楽しみ、ドリンクサービス。ワゴンは最後列から来るので、早いうちにもらえるのはうれしい。もちろんビール。ぎんぎんに冷えている。オレンジジュースと、これから始まる旅に乾杯だ。おつまみのピーナツとでごきげんだ。次のお楽しみは機内食。年末のKLMがいまいち期待はずれだったこともあるので、あまり期待しない様にしていた。
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機内食
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チキンかフィッシュかの選択で、それぞれ日本風とイタリア風らしい。ならばフィッシュを選びましょう。結果は・・・プレート自体は小さめだが、きちんと前菜のハムとメインの魚と付け合わせのパスタがおいしそうに並んでいる。ワインは白、赤それぞれ頼み、分けましょう。いただきます!なかなかうまい。最近天ぷらやカツ丼など無理な和食や、あまりおいしくない洋食を見て来たが、これはおいしい。無理せず、機内食はこうすればおいしいという見本のようだ。そしてさらによかったのは、食後のコーヒー。ポットで運ばれて来たそれは、とてもいい香りを放っている。一口飲んで見る。フランスコーヒーのような苦みや濃さには欠けるが、まろやかなコクと、コーヒーそのものの甘みがはっきりと感じられ、とてもおいしいのだ。
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軽食のサンドイッチ
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コーヒー嫌いでも、このコーヒーをおいしいとのこと。この味は、おそらくらおたコンビのような無類のコーヒー好きにも受け入れられそうな気がするのだが・・・大満足だ。機内食でこれ程の満足感が得られたのは久しぶりだ。少し眠る。何か映画をやっていたが、特に興味は無かったので寝ることにする。3時間ほど経っただろうか、軽食のサービスが始まった。サンドイッチとおにぎりを持って来たので両方もらおうとしたら、どちらかひとつらしい。サンドイッチをいただく。ハムと厚切りのチーズが入っておりちゃんとおいしい。小腹が満たされた感じだ。
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さて、読書でもするか。実は今回は珍しく、暇な時間は文学に触れる旅でもあるのだ。タイトルは知っているが今まで読んだことの無い本、中学生位のころに読んだが筋を忘れてしまったものなどを持ってきた。まずはヘミングウェイ「老人と海」を読むことにする。これは初めて読む本だが2時間ほどで一気に読み終えてしまった。海とともに生きて来た老人の、悲しいまでに自らに厳しく、命の危機であってもあくまでも客観的な自分を見つめ続ける意志の強さ。老人を慕う少年との心のつながり。物語全体に流れる強い緊張感と、そこかしこに見えかくれする人間的な感情の描写により、一気に「読まされた」感じがする。高校生くらいで読むと、また違った感想をいだくのだろうな。おもしろかったです。続けて「シチリアに行きたい」。これはシチリアの歴史や遺跡などを写真やコメント付きで著した本である。少し固めのガイドブックとでも言おうか。パレルモやタオルミーナの説明も詳しく、これからたずねる街へ思いをはせる。2冊一気に読み終えたので、少し疲れた。まだ到着には数時間あるのでもう一眠り。機内食の気配を感じ、目が覚めた到着まであと2時間ほど、最後のごはんだ。
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機内食
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軽食だと思うがなんだろう・・・これはすばらしい。思わずガッツポーズだ。ハムが2種類と野菜、そしてデザートはティラミス。全く機内食のお手本のようだ。時間が経っても、冷たいままでもおいしく食べられるもの。無理やりに温かいカツ丼、しかもパンにパンケーキをつけて出すと言った訳の分からないサービスはそこには無い(KLM!)。これは素晴らしい。白ワインとともにおいしくいただく。付け合わせのチーズもうまい。そして香り高いコーヒーとともに、甘すぎずカカオとマスカルポーネチーズの風味豊かなティラミスをいただく。とてもおいしい。機内食2度共、ここまで満足するのは珍しい。さすが美食の国、イタリアのナショナルフラッグだ。
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飛行機はアルプスを越え、コモ湖を見下ろしている。そして次第に高度を下げ始める。ミラノ郊外の街並が、しだいに大きくなってくる。イタリア時間の17時を少し回ったころ、ミラノ・マルペンサ空港に無事到着。次のパレルモ行きまではまだ3時間以上ある。とりあえず、両替を行う。空港と言うこともありあまりレートはよくないが、当面必要な2万円分両替を行う(312,000リラ)。しばらく免税店で時間をつぶすが、このターミナル内では国際線乗り継ぎの人しか免税にならないことがわかったので、パレルモ行きが出るAターミナルへ移る。ここでは行き先に関係なく免税が受けられ、しかも10%割引のキャンペーンをやっていたので、お土産のスカーフを安く買うことができた。ラッキー。お店で時間をつぶすうち、そろそろ出発の時間が近づいて来た。出発ゲート近くに移動する。たくさんの人がパレルモ行きを待っている。少し前にカターニャ行きがあるのだが、エトナ山噴火の影響でカターニャ空港が閉鎖されているらしく、代替空港としてパレルモに向かうために我々の乗る便は少し出発が遅れるらしい。やむおえまい。飛行機に乗り込む。日本人のツアーとぶつかったらしく、飛行機の後方座席はほとんどが日本人という異様な雰囲気だ。急に眠くなって来たぞ。日本時間としてはそろそろ徹夜あけになる頃だ。ねむいねむい。ほどなく飛行機は動き出した。離陸は何とか分かったが、その後パレルモ到着までひたすら寝ていた気がする。22時40分パレルモ到着。荷物はすべて持っているので、すぐに出られる。荷物受け取りも到着ロビーも、もうすぐ真夜中とは思えないほどたくさんの人で賑わっていた。人込みをかき分け、バス乗り場へ。ちょうど23時発のバスがあったので、それに乗り込む。一人9000リラ、値段としては伊丹から新大阪まで行ける値段だ。イタリアの物価を考えると、結構遠いのかもしれない。すぐにバスは出発した。しばらくは順調に走っていたが、突然渋滞だ。いったいこんな時間にどうしてこんなに渋滞するのだろう。渋滞を抜けるのにかなり時間がかかった気がするが、眠くてあまり覚えてはいない。いつの間にかバスは市街地を走っている。
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通りの表示を見るとLAZIO通りとある。この後LIBERTA通りに入り、その突き当たりがポンテアーマ劇場。ここで半分くらいの人が降りた。われわれもここまで。ここからホテルまではすぐのはずだ。真夜中のパレルモは思っていたよりもずっと明るく、観光客らしき人通りもそこそこあり、予想していたよりもずっと安全な雰囲気だ。しばらく歩くと、ようやくホテル・クリスタルパレスに到着。こんな真夜中になるのだから日本で手配しておいてよかった。チェックインはすぐに終わり、部屋へと向かう。かなりゆったりとした、清潔な部屋だ。とにかく今日は疲れてもう何もできない。明日のためにすぐに寝た。
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