2002/3/23 San Francisco〜Los Angels
〜穏やかな朝が、まさか壮絶な一日の始まりだったとは。こんな経験は初めてだ。〜 ★通貨ドル(約135円)★

今日もやはりあまり眠れない。3時半に起床した。まだこの時、今日という一日がこれまでの旅で体験したことの無い壮絶な一日になることをだれが想像できただろうか。シャワーを浴び、準備をする。予定通り5時40分に部屋を出、チェックアウトを済ませる。ホテルのすぐ近くにトラムの駅があり、始発が「ABOUT 6AM」だそうだ。いいかげんだが、まあそんなもんだろう。最初は我々だけであったが、しばらくするとちらほらと人が増え始めた。6時になったが、まだ来ない。まあ6時10分位までは「ABOUT」だろう。と思ったが、6時10分を過ぎても来ない。あまり遅くなっても困るので、通りまで出て様子を見ようと思ったら、ちょうどトラム到着。数分程止まった後、ダウンタウンに向けて出発した。港沿いを快調に走り、15分程で目的の駅に到着。ここからバスターミナルまでは2ブロックほど。バスターミナルに到着すると、ちょうど空港バスが出るところ。あわてて飛び乗る。グッドタイミングだ。バスはダウンタウンを抜け、フリーウェイに入る。少し霧が出ているようだが、快調に走る。7時ごろ、サンフランシスコ国際空港に到着した。


やっと来た


街にさよなら


ゴールデンゲートブリッジが見えた


ロス経由で大阪にむかうので、国内線の出発カウンターへ。少し迷ったが、表示の通り来て見ると・・・なんだこれは!一体何百人がいるのだろうか。まさに長蛇の列だ。係員に聞いて見ると、ここに並べばいいという。まだ1時間半程あるので、とにかく並ぶことにする。少しずつ、列は進んで行くが、時間は刻一刻と経って行く。途中、時間の迫ったホノルル行きや、我々より一便前のロス行きの人が列から集めらて急ぎのチェックインカウンターへと連れて行かれた。その際も係員が適当に声をかけて回るだけ。こんなやり方でだいじょうぶなのか?例えばちょっと子供を並ばせたままトイレに行った家族連れは、間違いなく聞き逃すだろう。不安が募り始める。ようやくあと数組のところまできた。この時点でもう出発まで30分を切っている。そこからなかなか順番が回って来ないし、係員に訴えてもここで待ての一点張り。ようやく我々の番が来た。本当はロスから日本行きの座席指定を変えてもらおうとも思っていたのだが、もはやそんな余裕は無い。とにかくチェックインを済ませるが、結局時間切れで荷物は預かってもらえなかった。行きは引っ掛からなかったが、ハサミやアーミーナイフがあるので預かってほしかったのだが・・・やむを得ない。とにかくセキュリティチェックへと急ぐ。カバンをX線に通すと・・・やはり引っ掛かってしまった。この時点で出発5分前。早くしてくれ〜との気持ちとは裏腹に、カバンを開け、慎重にチェックを始める。もう出発時間が迫っていることを訴えても聞く耳を持たない。まあ確かにそれも仕方のないことなのだが・・・出発3分前、もう限界だ。セキュリティの対応に残し、61番ゲートへと急ぐ。とにかく待ってもらわなければ。猛ダッシュで61番ゲートへ到着すると・・・既にゲートクローズ。一分前にゲートを離れてしまい、もうだめだとのこと。なんだってええええ!長時間のチェックインとセキュリティチェック、我々に何ができたというのだ、どうすればいいのだ。やりようの無い怒りをアメリカン航空の係員にぶつけて見てもどうにもならない。これはどうしたらいのだ、40回近い海外渡航、いや国内線を合わせても初めての経験だ。そのころ、ようやくセキュリティチェックを終えて到着。この時点で8時42分。定刻が39分なので、わずか3分なのだが・・・呆然とする我々に、アメリカン航空の係員は対応策を探ってくれた。ロス発が12時25分なので、どんなに遅くても12時にはロスに到着しなければならない。アメリカン航空の次のロス行きは11時発、ロスまでは1時間半なので、これでは間に合わない。ユナイテッド航空に10時発の便があるのでこれに空きがあれば問題なく乗り継げる。電話で確認をとってもらったところ、既に満席とのこと。他にユナイテッドの成田直行便を確認するも、これも満席。もはやここアメリカン航空のカウンターで対応できるのはここまでであった。あとはユナイテッド航空のカウンターで10時発便のキャンセル待ちをすること、それが最も可能性が高いとのアドバイスを受ける。やむを得ない、さっき通った恨みのセキュリティを横目に一旦ゲートを出て、ユナイテッド航空のゲートへと向かう。ここのセキュリティはもはや何の問題なく通過。すぐにロス行きのゲートはあった。係員に10時発の状況を聞いて見ると、やはり満席。どうやらキャンセル待ちもできない状態らしい。立っていてもいいくらいなのだが、もちろんそんなことが許されるはずも無い。こうなったらJALだ。構内電話でJALを呼び出し、ことの経緯を説明。成田行きの直行便はあるのだが、やはり満席とのこと。後はユナイテッドの次の便でロスに向かい、なんとか可能性に掛けるしか無いとのこと。我々に落ち度は無いと思うのだが、なぜにこんな思いをしなければならないのだろうか。ユナイテッドの次の便を見ると10時半発。だが遅れているようで、10時40分発となっている。でもこれなら12時10分着、何とか間に合うかもしれない。早速空きがあるかどうかを確認すると、キャンセル待ちになり、もしとれない場合、11時発には空きがあるのでそれになるとのこと。仕方がない、名前を呼ばれることを期待し、しばらく待つしか無い。ふと、朝ホテルを出てからここまでの間、ごはんはおろか一滴の水もとっていないことに気づいた。とりあえず水分補給だ。1リットルのボトルを2人で一気飲み。ふう、後は待つしかない。しばらくすると、キャンセル待ちの名前の呼び出しが始まった。その中に、我々の名前があった。が、出発の時刻を見るとさらに遅れて11時発。これではもはや間に合わない。だがロスに行ける最速はこの便なので、賭けるしか無い。再び構内電話でJALに連絡を取り、乗る便と到着予定時刻を告げ、なんとか待ってもらえるように頼み込む。確約はできないが、お客様2名がこの便で向かうことを伝えておきます、との回答。何とか、何とか頼みます。飛行機の搭乗が始まる。一分、一秒でも早く出てほしい。11時を過ぎたころ、飛行機はロスに向けて出発した。神風よ、吹け!

機内はしばし休息のとき。12時を過ぎたころ、間もなく着陸とのアナウンスが入り、12時20分ごろ、無事に着陸した。滑走路から到着ゲートへと向かう途中、おそらく搭乗中であろう一機のJALが目にはいった。あれだ、まだいる、待っていてくれ・・・だが悪いことに、ユナイテッドの到着ゲートはJALのゲートからは遠く離れたところにある。これは時間のロスだ。こんなことならばアメリカンの11時発ならばあるいは、と言う気もする。が、今はそんなことを行っても始まらない。幸い席は6列目なので、すぐに出られる。ゲートに到着し、すぐに飛び出す。ここからはJAL国際線までダッシュだ。道に迷うのは致命傷なので、係の人に聞いて見ると、ここから真っすぐ約10分とのこと。急げー!だがキャスター付きのカバンをひきづりながら、人の往来の多い空港内を走るのは思いのほか大変だ。それに加え、日ごろの運動不足と空腹で、だんだん足が上がらなくなって来た。それでも何とか足を引きづり、JAL国際線ターミナルに到着だ。出発ゲートに向かおうと案内板を見ると、既に「DEPARTED」の文字が。一瞬我が目を疑うが、ここは踏ん張るしか無い。セキュリティは無事通過したが、2人とも汗だくなので「大丈夫か(Are you OK?)」と言われた。ちょっと不審人物だったかも知れない。とにもかくにも、後はゲートへ向かうのみ。



待って・・・(イメージ)


悪いことに一番奥のゲートだが、最後の力を振り絞ってダッシュ。さぞかし異様な光景だっただろう。あと50メートルくらいでゲートに着くと言うとき、通路横の大きな窓に、澄み切った青空に向かって気持ち良さそうに離陸するJALの姿が見えた。大阪行き?成田行きではないのか?くじけそうな気持ちを押し殺して101番ゲートで見たものは・・・既に無人のカウンターだった。12時45分、定刻から20分遅れの到着であったが、JALは待っていてはくれなかった。出発が30分程度遅れるのは日常茶飯事なのに、今日に限ってアメリカンもJALもきっちり定刻に飛びたったのだ。チェックインを済ませた我々を残して・・・


近くに成田経由でシンガポールに向かうシンガポール航空が搭乗中だったので、だめもとで乗せてくれるように交渉して見る。すると、JALの許可が無いと乗せられないとのこと。そりゃそうだ、そんなことは分かっているのだ。でもどうしても乗りたいという我々の願いも空しく断られ、これで今日日本に向かうことは絶望的となった。こうなるともはやJALに掛け合うしか無い。出発ゲートを後にし、出発ロビーのJALカウンターへと向かう。が、もう今日のフライトは無いのでだれもいない。向かいの全日空ももぬけの殻だ。仕方がないのでインフォメーションで連絡先を聞き、電話を掛けようとしたそのとき、一人の女性がカウンターに出て来たのを見つけた。何と呼び止め、ことの経緯を説明。するとやはりサンフランシスコからは連絡が入っていたらしく、状況はすぐに理解してくれた。そしてその対応は、明日の同じ便への振り替え。本来なら明日は予約が一杯らしいが、状況を考慮してとってくれたらしい。それは非常にありがたいのだが、できることならばあと20分、待っていてほしかった・・・だがもう過ぎてしまったこと、もう仕方が無いのだ。とにかく明日にはここを発てることにはなったので、気持ちを切り替えるしかない。



寿司で一息


とにかく何か食べよう。朝から水とジュースを少し飲んだだけで、何も食べていないのだ。出発ロビーのひとつ上の階にはファーストフードのお店が並んでいる。いつもならばメキシカンとでも行きたいところだが、さすがに今はヘビーだ。ということで、軽く寿司を食べることに。わけの分からないカリフォルニアロールもヘビーなので、ここはシンプルにいなりと鉄火とカンピョウ巻き。それに味噌汁でようやくほっと一息だ。しかしここまで、壮絶な戦いであった。今から思えばターニングポイントはいくつかあった。


チェックインの列でもう少し早く強い意思表示が出来れば。セキュリティのチェックに引っかかるようなものを持っていなければ。あと3分早くゲートに行き、待ってもらえるように頼むことが出来れば。10時発のユナイテッドに空きがあれば。10時30分のユナイテッドが定刻に出ていれば。11時発のアメリカンで、もっと国際線に近いゲートに到着できれば。どこか一箇所でもクリアできれば今頃は大阪に向かっていたことだろう。ただ、もともとはサンフランシスコ空港での無秩序な長蛇の列、ここに尽きる。もう少しシステマチックにしてもらわないと、毎日あの状況は繰り返されるのだろう。国内線を乗ったら終わりの状況ならまだしも、日本まで乗り継ぐ立場ではあの状況は辛い。テロ以来、ずっとアメリカの国内線はあんな状態なのだ。もう2度とアメリカでの乗り継ぎはすまい・・・

いずれにしても、これで帰国は一日伸びることとなった。となると月曜日は会社を休むことになってしまう。そう大きな問題は無いと思うのだが、とにかくメールを打とう。空港にあるインターネットポイントに行き、メールを送る。日本語は読めるのだが入力は出来ないので、全部ローマ字での入力だ。われながら読みにくい。これを受け取った人はもっと読みにくいだろうな。とはいえ、これでなんとかこちらの状況は伝えることが出来ただろう。ひと安心だ。さて、そろそろ3時だ。せっかくのロスだが、さすがに今日は観光しようという気分にはならない。どこか近くのホテルでゆっくりしたい。到着ロビーに行き、インフォメーションで聞いてみる。するとなんと、空港近くのヒルトンが55ドルで泊まれるという。これはラッキーだ。本来は払う必要の無い金のはずなのだが、このときはとても嬉しく感じた。シャトルバスでホテルに向かう。さすがヒルトン、なかなか立派なホテルだ。部屋で休憩だ。体を伸ばし、ようやくリラックス。しばらくすると、おなかがすいてきたぞ。



栄養補給


さっきの寿司もそれほどボリュームは無かったし、ちょっと早いが晩ごはんとするか。一階に下り、レストランを見て回る。一通り見てまわり、スープ&サラダバーのあるお店に入る。この旅では生野菜が不足しているので、ちょうどいい栄養補給だ。トマトやたまねぎ、ブロッコリーなど妙に美味しい。それにしてもアメリカの料理も変わってきたか?たとえばブロッコリー、昔はもっとゆですぎなくらい柔らかかった気がする。それがここでは少し硬すぎるくらいにアルデンテ、われわれ好みなのだ。スープにサラダをお代わりして堪能。ふう、満足しました。


部屋に戻るとまだ7時、だが今日は心身ともに疲れきった。少し休憩しようとベッドに入ると、あっという間に眠りに落ちてしまった。明日こそ、無事に飛行機に乗れますように・・・